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半導体の高密度電子正孔系

半導体に適当な波長のレーザー光を照射すると自由に動くことのできる伝導電子と、価電子の抜け殻、“正孔”が生成されます。光で「つくられた」この電子と正孔はクーロン引力によって束縛しあうため、固体の中に水素原子様の“準”粒子、エキシトンができます。エキシトンは整数のスピンを持ち、近似的にボース粒子とみなせるので、極低温でボースアインシュタイン凝縮することが理論的に予測されています。一方、このエキシトンは、高密度になると不安定になって自由な電子と正孔に乖離してしまい電子(正孔)ガスになります。このとき系は絶縁体から金属に転移します。次に、この電子正孔気体を低温にするとクーロン力で反発しあうはずの電子同士が量子効果によって凝集して滴のような状態になります(電子正孔液滴)。これは電子系の気体液体転移です。さらに低温にすることができれば、今度は多数の電子と正孔が束縛しあった状態になることが予測されています。数学的にはこれは超伝導を記述する方程式と同等になることがわかっています。このように半導体中の光励起状態で生じる様々な相転移のダイナミクスを調べるとともに、極低温で理論的に予測されているマクロな量子状態の実現を目指して研究を進めています。


半導体Si中で光励起された自由な電子正孔気体からエキシトンができる様子。エキシトンの1S-2P準位間の遷移が現れてくるのがわかる。

Ref.) T. Suzuki and R. Shimano, Phys. Rev. Lett. 103, 057401 (2009).
T. Suzuki and R. Shimano, Phys. Rev. B 83, 085207 (2011).
T. Suzuki and R. Shimano, Phys. Rev. Lett. 109, 046402 (2012).

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Shimano Laboratory Department of Physics, School of Science, The University of Tokyo