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テラヘルツホール効果とベリーの位相

磁場中、あるいは磁化を持つ結晶に直線偏光の光が入射すると、透過光(反射光)の偏光面が回転します。この現象は磁気光学ファラデー効果(カー効果)と呼ばれます。ファラデー回転角の大きさは、非対角電気伝導度(ホール伝導度)$\sigma_{xy}$に比例していて、この現象は高周波数のホール(Hall)効果とみなすことができます。逆にファラデー効果のスペクトルを測定することでホール伝導度の周波数依存性$\sigma_{xy}(\omega)$を決定することができます。

私たちはこのファラデー効果、磁気光学カー効果を、テラヘルツ周波数領域で計測する手法、装置を開発しています。例えばテラヘルツ周波数帯でこの現象を用いると直流のホール効果測定と同様、導体中のキャリア濃度や移動度を非接触で決定することが可能となります。さらに同手法を用いて量子ホール効果や強磁性体のホール効果(異常ホール効果)を調べています。強磁性体中で自発磁化によって生じる異常ホール効果の起源として、不純物由来の外因的(extrinsic)なものと、電子のバンド構造に由来する内因的(intrinsic)なものが考えられています。内因的な起源による異常ホール効果は近年、ブロッホ電子の波動関数が持つ幾何学的な位相と深く関連していることがわかってきました。テラヘルツ、すなわちmeV領域のホール伝導度スペクトル測定を通して、この異常ホール効果の起源について詳しく調べています。


Ref.1)"Characterization of doped silicon in low carrier density region by terahertz frequency Faraday effect",
Y. Ikebe, R. Shimano,
Appl. Phys. Lett. 92(1), 012111-1-3 (2008).

Ref.2)"Optical Hall effect in the integer quantum Hall regime"
Y. Ikebe, T. Morimoto, R. Masutomi, T. Okamoto, H. Aoki, and R. Shimano,
Phys. Rev. Lett. 104, 256802 (2010).

Ref.3)"Terahertz Faraday rotation induced by an anomalous Hall effect in the itinerant ferromagnet SrRuO3"
R. Shimano, Y. Ikebe, K. S. Takahashi, M. Kawasaki, N. Nagaosa and Y.Tokura,
EPL 95, 17002 (2011).

Ref.4)"Quantum Faraday and Kerr rotations in graphene"
R. Shimano, G. Yumoto, J. Y. Yoo, R. Matsunaga, S. Tanabe, H. Hibino, T. Morimoto, and H. Aoki,
Nature Commun. 4, 1841 (2013).

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Shimano Laboratory Department of Physics, School of Science, The University of Tokyo